★ なつぱそ用語辞典 ★

独断と偏見による、なつぱそ用語辞典です
間違い等ありましたら、ぜひご指摘下さい。

更新情報:2019年03月07日(加筆修正及び削除)

凡例

1.収録語の範囲
本辞典の中核をなすのはなつぱそ者の言語生活の基礎となる、黎明期である1970年代後半から日電PC-9801シリーズ終焉まで、その期間に日本国内で流通したパソコンにかかわる言葉を中心に収録した。
2.「パソコン」の表記法
「マイコン」「パソコン」は同じ意味、パーソナルコンピューターの意で使用される。時代や機種、メーカー、文脈などにより使い分けられるが、同じ事を意味する。
3.位相表示
分類できるものに関しては、それぞれの語の位相を示す表示を付した。[本体]、[人物]など。
4.本体の扱い
パソコン本体については、すべての機種を網羅するのは難しく、またそれなら別形式である方が良いと判断した為、印象に残るものを選んで掲載した。

索引


あい・おー【I/O】[雑誌]
(1)Input/Output、入出力の略(2)1976年に創刊された、日本初のマイコン雑誌。新機種が出ると全回路図が掲載されたり、サイズの大きな市販されるゲームプログラムリストが載ったりと独自色を出していた。かなり厚めで、そのほぼ半分が広告ページ。地方在住のマイコンユーザーにとっては秋葉原価格を知る為の情報源でもあった。四十年以上経ち内容も別物になったが現在(2019年)も刊行中。
あるごせん【アルゴ船】
シャープのMZシリーズに使われていた、船の形をしたマーク。アルゴシップ。アルゴ号。ギリシャ神話で語られる冒険に登場する船で、「未来への船出」という意味が込められている。
いたんじ【異端児】
メーカーの、あるいは同一シリーズの、はたまたその当時のマイコン界の正統から外れてしまった機種。NECのPC-100、シャープのX1Dなど。
いちなななな【177】[ソフト]
1986年に国会で問題になり発売中止になった、前代未聞のパソコンソフト。タイトルは刑法177条(強姦の禁止)からきている。女の子を追いかけ回して捕まえて強姦するという内容。これだけ聞くと確かにさもありなんという所だが、当時のパソコンの性能から考えてみても、ごくたわいもないソフトであり、なぜ国会にまで話題が上がったのかよくわからない。ちなみに現在、18禁ソフトの中には、3Dポリゴンによるリアルなキャラクタを使った同様のソフトがあったりする。
えぬえいちけいしゅみこうざまいこんにゅうもん【NHK趣味講座マイコン入門】
NHK教育で1982年に放映された、主にBASICでのプログラミングについて説明をしていた講座番組。現在パソコン入門というとWindowsの操作入門とイコールになっているように、当時はBASIC言語を覚えることがパソコンを覚えることだった。対象機種は当時のベストセラー機PC-8001。もちろんNHKなので機種名を言うわけにもいかず、「機種X」とテキストには記されていた。次年度には「NHK趣味講座楽しいマイコン」として新たにスタートした。
えぬはちはち【N88】
PC-8801、PC-9801シリーズに採用されている、N88-BASICの事。98では若干違いがあり、N88-BASIC(86)として区別される。日本では、インタプリタBASICの事実上の標準。現在でもこれで動いているシステムがあるとか。
えむえすえっくす【MSX】
アスキーにより提唱されたパソコンの統一規格。主にホームユース向け、ホビー向けの低価格パソコン規格。1983年からMSX規格のパソコンが各社から販売された。NEC・富士通・シャープの三強に対抗するのが難しいそのほかのメーカーは起死回生を賭けてこぞって参加した。ところが、どちらかというとパソコンと言うよりゲーム機として見られていたMSXは、伏兵ファミリーコンピューターに惨敗。上位規格のMSX2が登場し、ようやく廉価なホビー機として一定の位置を占めるようになる。現在でもユーザーが活発な活動を続けている。
おー!しりーず【Oh!シリーズ】[雑誌]
ソフトバンク社が発行していた機種別雑誌。Oh!PC、Oh!MZ、Oh!FMなどがあった。メーカ毎に違うBASIC、違うハードウェアだった当時、自分の所有するパソコンの記事だけが掲載されているというのは画期的でお得な感じがした。国内のパソコンが98で統一される過程で徐々に姿を消していき、ほぼ98専門誌となっていたOh!PCも、98シリーズの終焉と共にその役目を終えた。
おーるいんわん【オールインワン】
本体、キーボード、ディスプレイ、記憶装置がひとつの筐体に収まっている形式のパソコン。「コンピューター」というとこういう形を思い出す人も多いかもしれない。ノートパソコンも条件を満たしてはいるが、オールインワンとは言わない。シャープのMZ-80シリーズ、MZ-2000の事を指すことが多い。
おんきょうかぷら【音響カプラ】[周辺]
パソコン通信をするための装置。電話の受話器をぴったりくっつけられるような形をしており、もちろんこの受話器を通して音変換されたデータをやりとりする。なんだかすごくわかりやすい直接的な接続方式だった。音響カップラーとも言う。
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かかくはかい【価格破壊】
カシオお得意の商法。1982年、1万4800円という、まさにお年玉で買えるポケットコンピューター、PB-100を投入してヒットを飛ばし、超低価格MSX、PV・MXシリーズを発売。特にMX-10は1万9800円という価格で世間を驚かせた。
かつかいかん【勝つ快感】[広告]
東芝のパソコン、パソピア7の広告に使われたコピー。これだけだと意味不明なのだが、その広告にイメージキャラクターとして出演していたのが故横山やすし&木村一八親子といえばおわかりかもしれない。とにかく勝つ。勝ってナンボや、というところだろう。パソピア7以外のパソコンに、であって、競艇に、ということではもちろんない。
かんじろむ【漢字ROM】[周辺]
漢字を表示するために必要な、フォントデータが入ったROM。昔はオプションになっている機種がほとんどで、さらに入力もJISコードを直接入力したりした。たとえば、「こんにちは」を表示するには、2433・2473・244B・2441・246Fと入力しなければならず、異常に手間がかかった。しかし慣れという物は恐ろしいもので、数をこなしていると、ひらがなとよく使う漢字のコードが表を見なくても打てるようになってくる。
きゃらめるきーぼーど【キャラメルキーボード】
ちょうどキャラメルを点々と配置したような、直方体型のキーを配置したキーボードの事。特にPC-6001のキーボードをこう呼ぶ事が多い。最近は「アイソレーションキーボード」として似た形のものが出てきたが、もちろんPC-6001のキーボードが打ちやすい、ということではない。→パピコン
きゅうきょく【究極】
物事をきわめて、最後まで到達すること。─のMZ:MZ-2500の事。他にも「最強のMZ」「火の鳥」などといった名称もある。─の8ビットCPU:モトローラ社製、MC6809の事。富士通のFMシリーズや日立のパソコンに採用された。
きゅうはち【98】
NECのPC-9801およびPC-9821シリーズの略称。最近ではWindows98の意味だと思っている人が多くなり、寂しい限りである。→PC-9801
くいっくでぃすく【QD】[周辺]
シャープ製パソコン、MZ-1500に搭載された、ランダムアクセスのできないディスク形式メディアの事。ちょうどカセットテープとフロッピーディスクの中間に位置するメディア。カセットテープよりは使い勝手がいいが、もちろん普通のフロッピーディスクの方がよく、パソコン界ではMZ-1500と運命を共にする。ファミコンのディスクシステムにも採用された。容量は両面で128KB。
くりーんせっけい【クリーン設計】
BASICなどの言語をROMとして搭載せず、メモリ空間すべてを自由に扱える、今ではごくあたりまえの設計。シャープのMZシリーズやX1が採用していた。しかし、フロッピーディスク等、高速大容量の外部記憶装置が高嶺の花だった当時は、ほぼOSと化していたBASICをいちいち数分かけてロードするより、ROM搭載して瞬時起動を可能にした方が使い勝手がよく正解だった。
けしごむきーぼーど【消しゴムキーボード】
素材にゴムを使用し、台形ではなく直方体型のキーを配置したキーボードの事。代表例はJR-100など。廉価機に多く採用された。耐久性はあまりなく、現在まで本体が残っていてもキーボード部分が……というものが多いそうな。ちなみに、プラスチックで出来ている、同様の直方体キーはキャラメルキーボードという。→キャラメルキーボード
げーむそふとはありません【ゲームソフトはありません】[広告]
1980年初頭の沖電気製パソコン、ifシリーズの広告に使われたコピー。「なんでもできます」とはいうものの、性能が低くてゲームやホビーくらいにしか使い道のなかった当時のパソコン状況の中、ifシリーズはビジネスに使える、いや、ゲームに使うなんてとんでもない、ウチのパソコンは高性能でビジネスソフトも揃っていますよという意味合いを含んでいる。
ごいんち【5インチ】[周辺]
5.25インチフロッピーディスク(ドライブ)の事。パソコン本体に内蔵され始めた1980年代中ごろから急速に普及した。容量などの違いにより、1D、2D、2DD、2HDなどの種類がある。最初の数字は片面か両面か、次の英字は密度(DはDouble-density。HはHigh-density)を表し、最後のDは倍トラック(Double-track)であることを示す。
ごさんけ【御三家】
パソコン界をリードしたNEC・シャープ・富士通の事。ごく初期の頃はNEC・シャープ・日立が御三家と言われたが、FMシリーズで個人向けパソコンに富士通が参入してくるとあっという間に日立と入れ替わってしまった。
こんすとらくしょん【コンストラクション】
パソコンゲームにおいて、自分でマップデータなどを作成できる機能の事。1980年代初頭のヒットゲーム、ロードランナーにこの機能が付属していて、ブロックの配置、敵の初期配置を自分で編集できた。その影響で、後のパズル系ゲームはこぞってこの機能を装備した。シューティングゲームのサンダーフォースにさえ、マップや登場する敵を設定できる機能があったほど、一時期のパソコンゲームでは標準的な機能になった。
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さんいんちフロッピーディスクドライブ【3インチFDD】[周辺]
3.5インチではなく3インチ。X1Dと日立系マイコンの外付けドライブとして登場。現在の3.5インチディスクよりも若干縦長になっている。IBMが3.5インチの方を採用したため主流になることなく消えてしまい、特にX1Dでは禍根を残すことになった。容量は両面で128KB。
さんたろう【三太郎】[ソフト]
日本語ワープロソフト、一太郎Ver.3の事。それ以降のバージョンではあまりこういった言われかたはしない。2004年からは表記が変わったため、百太郎の夢は実現しなかった。
じぇいあーる【JR】
(1)Japan Railwaysの略(2)松下通信工業がNationalブランドで出していたパソコンのシリーズ名。─-100:1981年発売。5万4800円と低価格でコンパクト。入門機として普及した。─-200:1982年発売。7万9800円。JR-100の上位機種で、カラー表示も可能になった。─-300:1983年発売。ほとんど見かけることのない幻のパソコン。X1を意識してかテレビとの融合をはかったモデルだったようだ。─-800:1983年発売のハンドヘルドパソコン。定価12万8000円。この頃はハンドヘルドタイプが流行した時期であり、これもそのうちのひとつ。
しーぴー・えむ【CP/M】[OS]
8ビット機の標準OS。Control Program for Microcomputerの略。日本で一般にOSが意識され始めるのは、16ビット機用OS、MS-DOSが普及してからになる。
せいぶろうどうれすとらん【西部労働レストラン】
[SAVE](西部)[LOAD](労働)[LIST](レスト)[RUN](ラン)という四つのコマンドぐらいしか使わない、プログラミングをしない人達を揶揄した言葉。蔑称。→ロードランナー
せいれきにせんねんもんだい【西暦2000年問題】
西暦を下二桁で管理しているソフトが起こす問題。西暦2000年のはずが1900年と認識されてしまい、それが元でソフトが正常に動作しなくなったりするというもの。ここで取り扱っている「なつぱそ」達にも影響が……と思われたが、そもそもカレンダクロックを内蔵していなかったり、あっても西暦部分が自動加算されない仕様だったりと、なつぱそユーザーにはほぼ無縁の問題だった。
せみきっと【セミキット】
半完成状態で販売されたマイコン。MZ-80Kなど。今でいう、部品のすべて揃ったベアボーンキットのようなもの。完成品よりも若干価格が安かった。ただし、半田付け作業があったり、キーボードも自分で制作しなければならず、なんとなく内職をしているようなイメージがある。
せみぐらふぃっくす【セミグラフィックス】
PC-8001などで採用された、テキスト画面を活用したグラフィック表示形式。テキストキャラクタをドットの集まりとして表示することで実現される。文字であることには変わりないので、1ドット毎に色を付けられなかったりする。PC-8001では、一つのキャラクタを2×4ドットとして、160×100ドットを実現した。この機能は下位互換の為にPC-9801シリーズにも備わっている。また、1ドット毎に色を付ける事ができないグラフィック形式もこう呼ばれる事がある。→テキスト画面
そうてんねんしょっく【総・天・然・ショック】[広告]
1985年に発売された富士通のパソコン、FM-77AVに使われていたコピー。もちろん「総天然色」から。8色、16色、よくて256色までしか使えなかった当時のパソコン界において、4096色同時発色で自然画の表示ができるようになり、その名の通りかなり衝撃的だった。
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たかはしはるみ【高橋はるみ】[人物]
主にマイコンBASICマガジンで活躍していた女子高生プログラマー。マイコン少年達のアイドル的存在だった。「えと、」「ですぅ」「えへっ!」といった女の子らしい言葉をちりばめた独特の文体で「らしさ」を醸し出していたが、果たして実在の女子高生だったのかは疑わしい。
たべたとしお【多部田俊雄】[人物]
NECインターチャネルでギャルゲーを主に手がけていたゲームプロデューサー。なつぱそ者にとっては、月刊マイコンで連載されていた四コマまんが「がんばれタベタくん」で有名。学生時代の多部田氏の日常がおもしろおかしく描かれていた。ちなみにそのまんがを描いていたのは、ゲーム「トゥルーラブストーリー」でキャラクターデザインをした松田浩(浩二)氏。
てきすとがめん【テキスト画面】
文字を表示するための画面の事。当時は、文字を表示するための画面、ドット単位のグラフィックを表示するための画面、と分けて考え、メモリもそれぞれ別々に用意されていた。マシンが高性能化し、GUI環境があたりまえになった現在では、文字も絵もすべて、当時で言うグラフィックとして扱われる。
でーたれこーだー【データレコーダー】[周辺]
プログラムなどを記録するためのテープレコーダー。音変換されたデータを記録しやすいように工夫されていて、マイコン本体から制御するためのリモート端子が付く。一般用のテープレコーダーもマイコン用に使われていればデータレコーダーと言われた。
てーぷりーどえらー【Tape Read Error】
カセットテープに録音したプログラムやデータの読み込みに失敗したとき表示される、恐怖のエラーメッセージ。カセットテープは信頼性が低くてかなり頻繁に読みとり不能に陥る。何日もかけて入力したプログラムが灰燼に帰してしまうことがままあった。このメッセージを眼にすると半日ほど脱力感に襲われる。
てれびぱそこん【テレビパソコン】
NEC PC-6601SRの別名。X1をかなり意識して作られたことがこの名前からうかがえる。PC-6601SRは他にも空回りした別名があり、なんだか広告業者に騙されたような不憫なパソコンである。→六本木パソコン
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ないこん【ナイコン】
マイコンを持っていない状態の事。「─歴1年の中学生です」というふうな記述が雑誌の読者コーナーなどによく見かけられた。また、「─族」という連帯感を感じさせる派生語もあったが、あまり長居したくない団体でもあった。
にちでん【日電】[メーカー]
日本電気、NECの略称。初期の頃は「日電PC-8001」と表記されたりした。
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ぱーこん【パーコン】
パーソナルコンピューターの略称のひとつ。個人向けコンピューターが「マイコン」という呼び名からパーソナルコンピューターに移行しつつあった時、「パソコン」よりもこちらの方が略称として正しいとして一部で使われた。しかしというかやはりというか、響きが悪いので自然消滅した。
ぱそこんさんでー【パソコンサンデー】[番組]
その名の通り、日曜日にテレビ東京系で放映されていたパソコン入門番組。1982年放映開始。同時期のNHKマイコン入門ではベストセラー機PC-8001が使用されていたが、こちらでは提供がシャープなので、MZ系のパソコンが教材として取り上げられていた。
ぱそこんてれび【パソコンテレビ】
シャープ製パソコン、X1の事。広告には「パソコンテレビX1」と表記された。上手にテレビとパソコンの融合を実現し、のちのマルチメディアパソコンの先駆けといってもいい。数台の後追いパソコンを生んだ。→テレビパソコン
ぱそぴあせぶん【PASOPIA7】[本体]
1983年発売の東芝製パソコン。「サウンド&グラフィック」と宣伝されていたように、初代パソピアから大幅にそちらの方面が改良された。ただ、なつぱそ者にとっては別の意味で有名。その頃お父さんとこのパソピア7の広告に出ていた木村一八氏が成長していろいろ事件を起こすたび、広告で無邪気に笑顔を見せている同氏が思い出され、時の流れの残酷さを痛感してしまうという、一種のトラウマPCとして認知されている。
はちいんち【8インチ】
8インチフロッピーディスク(ドライブ)の事。容量は2HDの1MBが普通。8インチフロッピーディスクドライブが登場した頃はまだまだ高価で、価格が下がって個人でも購入できるようになった頃にはサイズの小さな5インチが主流になり、結局業務向けのシステムで主に使われた。今あらためて見ると非常に巨大。自分の体が小さくなったのかと、ファンタジーな気持ちになる。ただしディスクの世界ではこの大きさが標準で、8インチは標準フロッピーディスク、5インチはミニフロッピーディスク、3.5インチはマイクロフロッピーディスクとも呼ばれる。→5インチ
はどそんそふと【Hudson Soft】
パソコン黎明期から活躍しているソフトメーカー。当時はその発売タイトルの多さが目を引いた。その後コンシューマーで大ヒットする「ボンバーマン」も、「爆弾男」のタイトルで初期に販売されている。
ぱぴこん【パピコン】
NEC PC-6001の愛称。「PC-6001」というよりも「パピコン」と言った方が通りがいいほど、よくなじんだ愛称。本体のデザインもパピコンな感じだった。→キャラメルキーボード
はやしばなおこ【林葉直子】[人物]
当時の高校生女流将棋名人。外見もなかなかよく、将棋界のアイドルとして注目を集めた。三菱のパソコン「MULTI8」の広告に登場していた。「今、直子は夢中……」というコピーと共にほほえむ彼女だが、鳴かず飛ばずのMULTI8に夢中になっていたからその後道を踏み外したのかどうかは不明。→MULTI8
はんどへるど【ハンドヘルド】
持ち歩けるパソコンのこと。ポケットコンピューターより大きいサイズのものがこう呼ばれる。ただ、見た目がポケコンのパソピアミニもハンドヘルドと名乗っていたので、この辺の線引きはメーカー任せといったところ。ハンドヘルドコンピューターの代表といっていいエプソンのHC-20やNECのPC-8201のように、A4サイズで、今のノートパソコンのように折り畳み式ではなく、タッチタイプのできるキーボードの上部に小さいモノクロ液晶ディスプレイが搭載されている……というのが大方のイメージ。
ぴお【PIO】[雑誌]
1984年3月に月刊誌化した、マイコンBASICマガジン型の投稿ゲームプログラム雑誌。I/Oの姉妹紙。掲載されているプログラムが録音されたソノシートが付録とされ、その後のフロッピーディスク・CD-ROM付き雑誌の先駆けといっていいかもしれない。1986年6月休刊。→I/O
ぴーしーきゅうせんはっぴゃくいち【PC-9801】[本体]
1982年に発売されたNECの16ビットパソコン。i8086-5MHz搭載。16ビット機は他社がすでに先行して何機種か出していたが、結局この98が初期の頃からリードすることになる。
ぴーしーはっせんいち【PC-8001】[本体]
1979年に発売されたNECのパソコン。コストパフォーマンスに優れ、25万台以上を売る大ヒットとなった。その後のNEC独占状態の基礎を作ったといっていい。─mkII:1983年発売。グラフィック機能を搭載し、ベストセラー機の後継機として期待されたが、FM-7など強力なライバルの存在で初代ほど普及はしなかった。拡張スロットを確保するためにマシン後部が防波堤のように盛り上がり、デザイン的にイマイチだった。─mkIISR:1985年発売。サウンド機能も標準搭載された、PC-8001シリーズ最後の機種。mkIIに比べて洗練されたデザインに。この頃は8ビット機がPC-8801シリーズへと統合されつつあり、やはりそれほど売れなかった。なかなか見かけることのないレア機種。
ぴーしーろくせんいちまーくつー【PC-6001mkII】[本体]
1983年に発売されたNECのパソコン。ボイスシンセサイザーを標準搭載し、「しゃべる」パソコンとして有名。BASICから手軽におしゃべりさせることができた。おしゃべりははおまけ的な機能として扱われ、他のパソコンへと広がりを見せることはなかったが、視覚障害者の間ではつい最近まで利用されていたそうである。
ぴゅうた【ぴゅう太】[本体]
1982年にTOMYから発売された、玩具系パソコン。特徴の多いパソコンで印象に残る機種。まず、TMS9995を搭載する16ビット機であるということ。もう一つは日本語BASICの搭載。日本語処理ができるBASICという事ではなく、「IF~THEN」が「モシ~ナラバ」というふうにコマンドが日本語になっている。─jr.:1983年発売。ぴゅう太からゲーム機能だけを抜き出したもので、パソコンではなくゲーム機。─mkII:1984年発売。特徴だった日本語BASICも普通のものに変わった。玩具系パソコンで後継機種が出るのは珍しい。
ぶれーくきー【BREAKキー】
(1)BASICをOSがわりにしているなつぱそでは、プログラムの実行を中止させるためのキー。STOPキー。(2)ミサイル発射キー。リアルタイムキースキャンのできない富士通のFM-8、7などでは、割り込みの発生するこのBREAKキーが、ゲームなどでのミサイル発射キーによく使われた。
べーまが【ベーマガ】[雑誌]
マイコンBASICマガジンの略称。→マイコンBASICマガジン
ぺんけーす【ペンケース】
富士通製マイコンFM-8の右上部。バブルメモリを装着する部分なのだが、高価であったためにほとんど使用されず、カバー付きのそのくぼみはペン入れなどに利用されることが多かった。中には灰皿代わりにするといったひどい扱いも。
ぽけっとこんぴゅーたー【ポケットコンピューター】
ポケットに入るくらいの携帯型コンピューター。BASIC言語を搭載。スイッチオンでプログラミング環境が立ち上がるコンピューターは現在ポケコンくらいしかないかもしれない。電卓から派生した事もあり、国内ではシャープとカシオの2社から様々な機種が発売された。初期の頃は、価格が普通のマイコンより安かったため、業務用途以外ではコンピューター入門機として使われる例が多かった。その後ノートパソコンの登場などにより徐々に衰退、最後の牙城であった理工系学生の教材としての座からも降りることになり終焉を迎えた。
ほんやさんにあります【本屋さんにあります】[広告]
イギリス製の廉価パソコン、シンクレアZX81は当時マイコンショップではなくて全国の本屋さんで売られていた。
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まいこんべーしっくまがじん【マイコンBASICマガジン】[雑誌]
電子工作やアマチュア無線の専門誌「ラジオの製作」の付録として立ち上がり、単独雑誌として1982年創刊。読者から投稿されたゲームプログラムのリストを掲載し、当時のゲーム好きマイコン少年達のバイブルといってもいい雑誌。創刊後しばらくすると、市販されているパソコンゲームの攻略やアーケードゲームなどのゲーム記事が主流になり、ゲーム雑誌となってしまっていた時期もあった。晩年またプログラミングの方に軸を移していたものの、2003年4月8日発売の5月号で惜しまれつつ休刊した。略称ベーマガ。2018年、雑誌「ラジオの製作」の後継「電子工作マガジン」の付録小冊子として復活を遂げる。BASICが走る小型マイコンIchigoJamやHSP、Nintendo 3DS用 SMILE BASICのプログラムリストなどが掲載された。
ましんご【マシン語】
コンピューターが直接理解できるプログラム形式。機械語。これを直接人間が(上手に)生成すれば、最も高速なプログラムを作る事ができる。性能が低かった昔のコンピューターでは、プログラムがBASICインタープリタではなく直接マシン語で動いている事が一つのウリになり、「オールマシン語」といった文句がソフトのパッケージに記載されていたりした。ソフトが大規模化しマシンも高速化した現在、パソコンソフト制作時に人間が直接マシン語のコードを生成することはほとんどない。
まにあたいぷ【マニアタイプ】
初代X1、CZ-800Cの事。後継機種のX1C、X1Dが出た後、シャープ自らがこう名付けた。他の機種のように「初代」「無印」とは言わないのが不思議。
まるちえいと【MULTI8】[本体]
1983年に発売された三菱の8ビットパソコン。平凡な性能で、PC・FM・MZ三国時代に対抗できる機種ではなく、イメージキャラクターに女子高生の女流棋士林葉直子が採用されていたという事だけが有名な不遇のパソコン。
むじるし【無印】
シリーズ化されたパソコンの、一番初めの機種の事。たくさんの後継機が出たシリーズの初代機を指すことが多い。後継機になると名称の後ろに「mk2」などの記号がつくため、何も付いていない初代機をこう呼ぶ。NECのPC-9801やPC-8801などが代表例。この場合、「─98」などと言う。
めいき【名機】
設計思想のすばらしさや先進性、完成度が評価されるパソコンの事。商業的に成功していないことがもうひとつの条件かもしれない。日立のMB-S1、NECのPC-100、シャープのMZ-2500など。
めいき【迷機】
変な存在感があって記憶に残る機種。98と88の融合をはかったがどっちつかずだったPC-9801DOなど。
もうちょう【盲腸】
(1)虫垂または虫垂炎の俗称。(2)後期のPC-9801シリーズにおけるROM-BASIC。初代98が発売された当時とは違い、フロッピーやハードディスク搭載が当たり前になってくると、メインメモリ空間を96KBも占有するROM化されたBASIC部分が足かせになってきて、こう呼ばれた。
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ゆーざーていぎもじ【ユーザー定義文字】
ユーザーによって作成された、キャラクタセットにない文字。グラフィックが使えない、または速度が遅くて実用にならない昔のパソコンでは、これをゲームに使用した。
よいぱそこんわるいぱそこん【よいパソコン悪いパソコン】[書籍]
購入の目安になるように、その当時発売されていたパソコンを辛口評価した書籍。現在、どのパソコンを買ってもそれほど失敗することはないが、それぞれのメーカーがオリジナルアーキテクチャで勝負していた当時は明らかに「ハズレ」なパソコンが存在した。そのせいか結構売れたようである。手元にある1986年版を読んでみると、若干ハード寄りの批評だったようで、MB-S1が高い評価を受け、PC-9801F2が(大人気だっただけに)低い評価になっていた。
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ろーどらんなー【ロードランナー】
(1)ほとんどすべてのマイコンに移植されたといっていい、1980年代初頭の人気ゲームソフト。その後ファミコンやアーケード版も登場する。(2)プログラミングなどをせず、専らゲーム目的でマイコンをしている人の事。プログラムをLOADしてRUNするだけ……というところから来ている。蔑称。→西部労働レストラン
ろっぽんぎぱそこん【六本木パソコン】
NEC PC-6601SRの別名。おしゃれなイメージを植えつけようとしたと思うのだが、パソコン広告界の歴史に残る珍コピーとなってしまった。→テレビパソコン
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わんぼーどまいこん【ワンボードマイコン】
一枚の基板上に16進数入力用のキーボード、結果表示用の7セグメントLEDディスプレイが備わっていて基板そのものでマイコンとして動作するもの。シングルボードマイコンとも呼ばれる。TK-80、MZ-40Kなど。
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